クリニックブログ

  • 2026.10.04

うつ病の炎症仮説 神経ネットワーク委縮、うつ病の食事療法

うつ病の原因はいまだに明らかにされていません。最近になって、うつ病が脳内の炎症によって引き起こされているという仮説が提唱されています。研究の多くが動物実験の結果からうつ病の原因を推測しているため本当に脳で炎症が起きているどうかは分かりません。うつ病の炎症説は以前肝炎の治療で用いられたインターフェロンの副作用としてうつ病が引き起こされること。CRP、IL-6、TNF-αなど体内で炎症が起きている時に高値となる血液中の物質がうつ病では高いことがあること。関節リウマチ、炎症性腸疾患、乾癬、SLE、喘息などの炎症性疾患でうつ病の発症率がやや高いことなどうつ病の一部には体内で炎症反応が起きていることを示唆する事実が存在します。しかし、炎症反応はうつ病の一部で見られる証拠に過ぎません。したがって全てのうつ病を脳内炎症が引き起こしているとみなすことは出来ません。ただし、うつ病の炎症仮説の中には、食事療法などの誰でも取り組める治療法や、免疫系をコントロールして脳内炎症を抑える新薬の開発といったうつ病の治療を発展させる明るい材料が含まれています。下の図に、脳内で炎症を引きおこすミクログリアの活性化、神経ネットワークの委縮を示しました。図の上は正常な神経ネットワーク、下の図では、ミクログリアが活性化されて神経ネットワークが委縮しています。ミクログリアの活性化はストレス、体内炎症、偏った食事などで引き起こされると考えられます。したがって、ストレスを避け、体内炎症をコントロールし、正しい食事をすることがうつ病の予防、治療に役立ちます。

うつ病の食事療法のヒント

最近の統計解析では、果物や野菜、魚、全粒穀物(精白していない穀物のことを指し、全粒穀物を用いたパン、パスタ、日本では雑穀ご飯や、玄米)の摂取量を増やすなどの食事パターンのすることが成人のうつ病の予防や治療と関連していることが確認されました。

推奨食事メニュー:全粒穀物(全粒パンなら1日4枚)、野菜(1日6個)、果物(1日3個)、豆類((煮豆・水煮)で約150g。ひよこ豆、レンズ豆、インゲン豆などで、1/2〜3/4カップ)、乳製品(低脂肪牛乳250mlとヨーグルト200g、チーズ40g)、生および無塩のナッツ(1日1個)、魚(週に少なくとも2匹)、赤身肉(週3〜4)、鶏肉(週2〜3)、卵(週に最大6個)、オリーブオイル(1日大さじ3杯)を摂取

避けるべき食事:甘いもの、精製されたシリアル、揚げ物、ファストフード、加工肉、砂糖入り飲料などの食品の摂取はなるべく控える(週にハンバーガー1回、ソーセージ、ベーコンなどの加工肉1回、お菓子1回の計3回でおしまい )